Thursday 10 November 2011

ベトナム消費志向調査

携帯電話、バイク、家庭用洗剤に興味が集中
 今回は、「携帯電話」「飲料」「ヘアケア製品」「バイク」「自動車」「化粧品」「家庭用洗剤」の7分野で質問を設定、回答者の興味は、「携帯電話」「バイク」「家庭用洗剤」に集中することがわかった。これら分野で常に新製品をチェックすると答えた人が、「携帯電話」77%、「バイク」76%、「家庭用洗剤」77%だった。



広告の受容
「ヘアケア製品」に対する関心は高い(76%)が、広告からの影響を受ける割合は低い(65%)。「自動車」「化粧品」「飲料」に関しては、関心があると答えた人はほぼ半数、広告から受ける影響についても同様である。
ベトナム独特の生活スタイルが背景
現在のベトナムでは日常生活に密接に関わる上記3分野に関心が集中し、広告への注目度も高い。一方で、「自動車」「化粧品」という高級品と、日常的に接する「飲料」については、さほど広告から情報を収集しない。前者は高級品であるがゆえ一部消費者の興味に限られている点、後者は、手軽かつ頻繁に飲まれているコーヒーがカフェなど店舗で供されるものであること、また冷蔵庫の普及が進んでいないことが原因として考えられる。

TVCMは情報源として絶大な注目度
全分野で、新製品の情報源として「TVCM」が最多回答を占めた。
男女合計で回答の割合は以下の通り。
「携帯電話」55.7%、「飲料」68.3%、「ヘアケア製品」57.2%、「バイク」51.7%、「自動車」54.8%、「化粧品」63.9%、「家庭用洗剤」67.2%)。
第2位は分野によって異なる。「新聞広告」が「携帯電話」(37.2%)と「自動車」(31.6%)の高級品で注目されている。
「(商品を)見て」という回答は、「飲料」(31.7%)、「バイク」(39.9%)、「家庭用洗剤」(38.6%)など生活必需品といえる分野、また、「友人・知人」が「ヘアケア製品」(35.7%)、「化粧品」(30.2%)と流行に左右される分野で高かった。
インターネット利用は一部男性のみ
インターネットからの情報収集は非常に少ない。「携帯電話」で男性1.7%、女性0%、「バイク」で男女ともに1.7%、「自動車」で男性6.0%、女性3.4%だった。男女比を考慮すると、男性に限ってはインターネットで情報収集を行う人の割合が若干高い。
特に高級品で所有者も少ない「自動車」に関してはインターネットを情報源と考える男性は8回答中4番目に多かった。
サンプル配布などキャンペーンは女性に効果大「サンプル配布などキャンペーン」で新製品の存在を知るという人は、「ヘアケア製品」で男性5.4%、女性17.9%、「化粧品」で男性0.8%、女性16.8%、「家庭用洗剤」男性5.1%、女性20.2%で、圧倒的に女性に多く見られた。
女性に限って見ると、上記の3分野で「キャンペーン」で新製品の存在を知るという回答は、それぞれ3番目に多かった。


強固な口コミ、村社会的背景も
隣国中国も「口コミ」の国と評されることがあるが、ベトナムの場合、広告が現在のように大々的に行われるようになってまだ日が浅い。広告が信用できるメディアになりつつある一方で、根強い「口コミ」依存はあるようだ。
商品を購入する際の決め手の情報として挙げられたのは、全分野とも、「友人・知人の評判」「家族・友人の意見」など身近な人物からの口コミであった(男女合計で、「携帯電話」65.3%、「飲料」62.2%、「ヘアケア製品」71.8%、「バイク」66.4%、「自動車」69.6%、「化粧品」67.8%、「家庭用洗剤」66.6%)。
友人を尊重し、また大家族が互いを支えあい、濃密な関係を構築するベトナムらしい結果といえよう。


ムード優先の消費
テト期には、食品・飲料各社がテト・ムードを盛り上げる商品を発売する。これらに関し、男性の94%が、今年度テト期における特別パッケージ飲料を購入していた。
外見で購入を決定
2006年テト期間直前およびテト期間中において、特に「飲料」の分野で特別パッケージ商品が数多く販売、広告展開された。実際に、これらの商品に注目し、購入者は全体の67%に上った。キャンペーン商品は、価格の大きな引き下げがあるわけではなく、単純にパッケージにテトをイメージさせるデザインを採用したにとどまる場合が多い。だが結果からは、祭事に利用した広告・プロモーションの秘める可能性が感じられる。

性の消費に拍車も
さらに興味深いことに、購入割合は男女別で大きく異なった。家計を任される女性では、実際にこうした商品を購入した人は57%にとどまり、一方男性では94%が商品を購入したと答えた。現在のベトナムにおいて、テト期やクリスマスなどのイベント時、贈り物として男性が商品を購入する文化が根付いていることが一因と考えられる。


自動車は高値の花か
回答者の44%が自動車購入を検討中で、調査対象の平均月収平均月収約60~120ドルからすると、かなり高い割合で購入希望者がいることが明らかになった。
鍵は価格下落
56%が購入を考えていないと答えている。この点は、自動車が高級品であることを示す。一方で上記平均的月収にもかかわらず、車をすでに所有している、あるいは5年以内に購入予定と答えた人は全体の26%、価格下落後に購入を考えると答えた人を含めると44%に上った。




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